2005/11/04

大宣教命令に従うとは?・・・hmmm, wait a minute!

今日のディスカッションは、「大宣教命令を実現するために地域教会が果たすべき役割は?」(The Role of the Local Church in Fulfilling the Great Commission)という所から始まった。

昨日は疲れて寝てしまったので、読んでおくべきだった文献を読まずにディスカッションに入ってしまった。だからディスカッションの間、話を聞きながら、ひたすら文献を読んでいた。その文献は、「クリスチャン・ミッションの心」というもの。("The Heart of the Christian Mission," David Hesselgrave) この文献があまりにも重要な事を取り扱っていると思ったので、読んでいてだんだん恐ろしくなってきた。今後のためにも、少し慎重に要約してみます。

"The Heart of the Christian Mission," David Hesselgrave

 今日、それぞれの立場によって「教会とは何か、その使命は何か」という観点が違うために、多くの混乱がもたらされている。ここでは、「教会の第一の使命は、キリストの福音を宣べ伝え、信者を地域教会(そこで彼らは、信仰によって建て上げられ、効果的に仕える者とされる)へと集め、それによって世界中に新しい会衆を建て上げることである。」ということを提起したい。

◆「教会」に対する神の計画
 キリストはこの地上におられる時、教会の設立を預言され(マタイ16:16-18)、十字架で死なれた時、ご自身を教会に献げ(エペソ5:25)、今は天において教会をきよめ(エペソ5:26,27)、再び来られるとき、父の御前で教会を称賛(glorify)される(1テサロニケ4:13-18; 黙示録4-6)。
 教会とキリストとの関係には、次のような意味深い比喩が使われている。「キリストの建物」として(エペソ2:19-21)、「キリストの霊的なからだ」として(エペソ1:23; 1コリント12:12,13)、「キリストの花嫁」として(エペソ5:25-33)。
 神は「教会」をあらかじめ計画し、御子をその死と復活によって「教会」に与えた。御子は「教会」を建て上げ、その使命を全うできるように、弟子達を教え整えた。そして聖霊によってその使命をなし得る力を与えられた。(エペソ1:19-23, 使徒1:4-8)

◆大宣教命令(Great Commission)
 「大宣教命令」がクリスチャンに与えられた使命であることに疑いはないが、4つの福音書および使徒の働きから、より注意深く解釈される必要がある。それぞれの聖句は相互補完的な関係にあると言える。
 クリスチャンの使命について社会的な理解を得るための努力の中で、ある人は「父がわたしを遣わしたように、わたしもあなたがたを遣わします(ヨハネ20:21)」という命令をより優先すべきだと解釈している。そしてイエスが病いを癒し、貧しい者たちに福音を宣べ伝えた(ルカ7:19-23)のだから、私達の遣わされる第一の使命は「社会改善」にあると結論付けている。もちろん、この世で「良い行ない」をする事が弟子達に与えられた命令である事に異論はないが、「良い行ない」が「大宣教命令=私達の使命の中心」にあるとするのは、聖書の正しい解釈とは言いがたい。むしろヨハネの記述は、「大宣教命令」の「『宣教し、バプテスマを授け、命令を守るように教える』ことによって、あらゆる国の人々を弟子としなさい」という命令の権威を強調していると言える。

◆ペンテコステ
 キリスト教の拡大にとって決定的な出来事といえば、「ペンテコステ」である。キリストが約束された通り、聖霊が臨まれた時、弟子達は(1)力を受け、(2)キリストの証人となり、(3)エルサレム―ユダヤ―サマリヤの全土―地の果てまで出て行った。聖霊は、Holy Spiritであると同時にMissionary Spritでもあるのだ。その結果多くの人が弟子に加えられ、弟子達はどこに行っても御言葉を宣べ伝え、何人かがクリスチャンになった所必ず「教会」が形成された。

◆パウロと教会のミッション
 使徒パウロには、「異邦人に福音を届ける」という特別な責任が与えられた。したがって、パウロのミニストリーは私たちの使命を理解するために、特別に重要なものである。教会の確立(establish)はパウロの働きであり、「使徒の働き」もパウロの働きが完全(complete)なものだった事を示している。(参照:"Missionary Methods: St. Paul's or Ours?," Roland Allen)
 なぜパウロはそこまで成功したのか?その重要な理由の一つに、パウロが自分自身の第一の使命(Primary Mission)を、福音を宣べ伝え、教会を確立する事であると捉えていたという事がある。副産物として、社会的な状況の改善等があったとしても、パウロの第一の使命は「福音が宣べ伝えられ、人々が回心し、教会が確立したとき」に果たされたと言える。隣人を愛せよという「最も大切な命令(Great Commandment)」への服従は、「キリストが命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい」という命令の一部であるが、「良い行ない」はパウロの使命の「実」であって、「根」ではない。

◆現代における「教会」とそのミッション
もし今日、私達のミッションに混乱があるとすれば、それは御言葉に問題があるのではなくて、「歴史的な遺産」によって目がくらまされているか、「私たち自身がつくりあげたもの」が目をくらませているのである。

(1) 「ミッション(Mission)」について~広過る!
 19世紀以前の宣教師達は、彼らが達成すべき事が何であるかを、いつでも明確に認識していた訳ではないようである。「ミッション」は、学校を作ったり、病院を作ったり、文化的な悪習を正したり、衛生環境を改善したりするという形を取った。これらはすべての人に賞賛されるべき事ではあるが、これらの価値ある働きは「弟子を作る」こともなく「教会を確立する」こともなかった。したがって、歴史的に後の世代に引き継がれたとき、これらの「ミッション」は私たちが本当に引き受けるべきものなのかという疑問、または「ミッション」のための組織が、私達の優先すべき働きから離れて存在するという結果になった。
 また現代においては、私たちはこのパラチャーチとしての「ミッション」組織を増殖させ、あらゆるタイプの「社会改善運動」を引き受けることになった。これらの努力は、ガラテヤ6:10によればクリスチャンが引き受けるに相応しいものではある。しかし、このような社会改善という働きのための組織は、「教会の第一のミッション(使命)を第一」としない限り、「ミッション」組織と呼ぶには相応しくない。福音宣教と教会増殖を明確にサポートする組織のみが「ミッション」と呼ばれるに値する。

(2) 「福音宣教(Evangelism)」について~狭過ぎる!
 一方で「福音宣教」は、「クルセード」のように、人々が個人的にイエスキリストを救い主として受け入れるように計画された大規模なキャンペーンの事として認識されるようになった。また、同じ目的のために、「個人伝道」のためのツールもたくさん開発された。「クルセード」や「個人伝道」はもちろん推奨されるべきだが、ほとんどの場合、新しい信仰決心者が地域教会にしっかりと根付くことはなかった。「信仰決心者の増殖」が強調されすぎる一方で、「信者の会衆の増殖」が強調されることが不十分だったと言える。


(3) 「ミッションと福音宣教をもう一度一つにする」
 この200ほどの歴史が私達に教えてくれるのは、大宣教命令への従順を通してたとえ他にどんな素晴らしい取り組みが生まれたとしても、それは世界中の人々の間に教会を生み出して行くものでなければならないという事だ。本来は「ミッション」と「福音宣教」は同じ目的に使われる。

◆今日の優先順位~クロス・カルチャーなチャーチ・プランティング
 もし「大宣教命令」に本当に従おうとするなら、私たちはもう一度「開拓者としての精神」を取り戻し、すべての場所にいるまだ救われていない人々の所に届いていく必要がある。自分達と地理的・文化的に近いところから、遠いところにある人々にまで、私たちがどの様にして届こうとしているのか、すべてのクリスチャンが自分自身に問い直してみる必要がある。
 言葉の使い方はいろいろとあるにせよ、ミッションの欠けた教会も、教会の欠けたミッションも神の計画と調和していない。同様に、福音宣教の欠けた教会も、教会の欠けた福音宣教も神の計画と調和していない。
 それが教会の使命であり、それをできるだけ効果的に行なっていく必要がある。


・・・私たちが本当に大宣教命令に従っているか、一部分だけの理解では本来の使命を見失ってしまう危険性があることを肝に銘じた。そして、そのためにはいつもその使命の中心には「地域教会の増殖」があるということを思い起こす必要がある。

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今日、家から送ってもらおうとお願いしていた薬が届いて感謝みました。
とりあえず安心です。そのため、さっき飲んだ薬が効いて、頭は既に寝ています。


重要な話ですが、今日は話しはこれまで!!


佐藤賢二
明日のための準備の時間が取れるようにお祈りください!

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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