2006/01/06

人間になる

「人間になる」とはすごい言葉だ。
これは、ラルシュ創始者のジャン・バニエの本のタイトルだ。
題名に惹かれて衝動買いしてしまったが、すばらしく良い本だった。

ラルシュとは、「知的障害者と、彼らと一緒に生きようという気持ちを持った人たちが共に暮らす共同体」だ。世界中で働きがなされているが、日本でも静岡に一つ、ラルシュの家があるらしい。


この本の、「第一章 孤独」の書き出しを引用してみたいと思う。

本書の主題は、心の自由ということです。それは、心を<不安>や<孤独>の桎梏(しっこく;束縛)から、また私たちに他人を排除・排斥させることになる<恐れ>から解き放つこと、自分の心を開くことです。そうすれば、私たちに共通の人間性も見えてくるようになります。私は、この共通の人間性に気付くことによって孤独が愛に変わり、私たち自身も生まれ変わることができるということを言いたいのです―――そして愛はつながり(belonging)の中で、つながりを通して育ちます(ただし、ある人とのつながりは同時に他の人を隔てることにもなりえますが)。共通の人間性に気付くことによって、私たちは自分の自己中心的な衝動や心の傷から自由になれます。そして最終的には赦すこと、自分の敵であるような人を愛することもできるようになります。こうして初めて、真に人間になることができるのです。


・・・実は、ジョン・バニエの本を実際に読むのはこれが初めてだ。しかし、彼の文からは、単なる学者や思想家にはない、自らが実際にその様に生きている者からしか決して伝わって来ない、深い慈愛と、明快さがある。(そして、訳文も非常に分かりやすい)

今私が、いや私たちが、追求しようとしているものを、指差してくれているような気がする。この本の内容については、また触れることになるだろう。

読んでみたい方は、ぜひどうぞ!一応、Amazon.co.jpへのリンクを載せておきます。(なぜか訳者名しか表示されていないようですが、大丈夫です。)

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